環状列石を見てみよう!
緑色の部分については、現在盛土や芝などで保護している区域です。
環状列石の大きさと構造
小牧野遺跡の環状列石は、大規模な労働力の集中によって構築された直径55mにもおよぶ大型の記念物(モニュメント)です。
直径35mの外帯・29mの内帯・2.5mの中央帯の3重の輪のほか、一部4重となる弧状の列石や外帯を囲む直径4m前後の環状配石などで構成されています。
石の組み方
環状列石の外帯と内帯は、楕円形の石を縦に置き、その両側に平らな石を数段積み重ね、あたかも石垣を築くように並べられています。
この縦横交互の列石は、全国的にも珍しく“小牧野式”配列(配石)とも呼ばれています。
環状列石を構成する特殊組石など
第1号特殊組石 | 第2号特殊組石 | 第3号特殊組石 |
第7号特殊組石 | 第9号特殊組石 | 第2・3号環状配石 |
祭祀場としての広場
環状列石の中央に立ってみると列石の内側に広い空間があることがわかります。
この広場は、多くの人々が集うことのできる面積(約500平方メートル)が確保されており、彼らの精神文化と関わる「祭祀場」としての性格が考えられます。
また、広場の周縁が石垣状の列石に囲まれているため、さながら円形劇場のような空間効果を演出しています。
馬頭観世音
環状列石の第9号特殊組石の近くには、嘉永7年(1854年)の年号が刻まれた江戸時代末期の馬頭観世音碑が建っています。この場所一帯は、江戸時代から馬の放牧場として使用され「小牧野」の地名はそのことに由来します。馬頭観世音碑は、元からその場所にあった環状列石の石を転用されたものと思われます。